皆さんこんにちは
昔は少年野球のバッティング指導では必ず「上から叩け」「ゴロを転がせば何かが起こる」などのダウンスイングの指導が主流でした。
理由の一つとして守備の時にゴロを弾いたり暴投したりとエラーがよくあったので、エラーで出塁させるためにゴロ打ちの指導がされていました。
しかし今では様々なバッティング理論がありますが、今回はフライボール革命について紹介します。
Contents
メジャーリーグで流行のフライボール革命
フライボール革命とは
フライボール革命は聞いたことがある方も多いかもしれません。
フライボールというのは打球のフライのことで、簡単に言えば「ゴロを打つよりもフライを打ったほうが打率も上がるし本塁打も打てる」という考え方です。
フライボール革命が起こった背景には、選手やボールの動きを記録・数値化する動作解析システム「スタットキャスト」が2015年からメジャーリーグの球場で導入されたことがあります。
ボールの動きをドップラーレーダーでトラッキングする「トラックマン(高性能弾道測定器」と人の動きをカメラでトラッキングする「映像解析システム」の2つを統合したシステムのこと。
・ボールの回転や回転軸、変化量
・打球速度と発射角度、飛距離
・打球の落下位置や滞空時間
・打球までの移動距離と走った速度
・落下地点までのルートの効率性
・野手のスローイング速度など
2015年の1年間はデータ収集をメインとして翌年2016年に分析を行い様々なことが判明しました。
そして次のようなデータが表れたことがきっかけでフライボール革命が生まれました。
(参考 MLBトラッキングデータ)
フライ=打率.241 長打率.715
ゴロ=打率.238 長打率.258
「ゴロを打つよりもフライを打ったほうが打率も上がるし本塁打も打てる」という結果が出たわけです。
これに着目したアストロズが意図的にフライを打って本塁打を量産し2017年のワールドシリーズを制し「フライボール革命」が広まりました。
2017年のMLB全打者の種類別データは次のような結果となっています。
打球の種類 | 発生割合 | 安打割合 | 長打割合 | 本塁打割合 |
---|---|---|---|---|
ゴロ | 45% | 25% | 2% | 0% |
ライナー | 25% | 63% | 23% | 3% |
内野フライ | 7% | 2% | 0% | 0% |
外野フライ | 22% | 27% | 23% | 18% |
メジャーリーグでは内野手が極端な守備シフトを敷くことが多く、ゴロがヒットになりにくい状況があったため打者は内野手の頭越える打球、すなわちフライを狙うようになりました。
そこに上記のデータも加わり、打球に角度を付けることを重視するようになったのがフライボール革命のきっかけとなったわけです。
これはメジャーリーグのデータですので少年野球に当てはめれるものではありませんが、上のレベルに行くに連れてダウンスイングでは通用しないとのことが言えます。
バレルゾーンとは
スタットキャストを駆使して「打球速度(初速)」と「打球角度(発射角)」を分析した結果、非常に高い確率でヒットや本塁打が出るスイートスポットが判明しました。
それが「バレルゾーン」です。
バレルゾーンの条件としては、打球速度158キロ・打球角度26〜30度が該当します。
打球速度が速くなればなるほどバレルゾーンは広がり、打球速度187キロでは打球角度は8〜50度の範囲となります。
バレルゾーンに入った打球は8割以上がヒットとなり、そのほとんどが本塁打となっています。
打球速度と打球角度
バレルゾーンの条件として打球速度158キロ・打球角度26〜30度でした。
ではどうすればこの条件をクリアできるでしょうか。
まずは打球速度158キロを出すためには最低でも128キロ以上のスイングスピードが必要とのことがわかっています。
次に打球角度ですがボールの真ん中から6ミリ下を約19度上向きの軌道で衝突させることが出来れば26〜30度の打球角度がつきます。
フライボール革命のデメリット
フライボール革命は新たな理論として注目され次々と取り組んでいく選手が増えました。
しかしその結果デメリットも数字として出てきました。
淡白な攻撃が増え、進塁打など状況に応じたバッティングが減っていたのです。
打球角度を意識してボールを強打するバッターが増え、バットコントロールでボールに当てる打者が減ったことで三振数が激増。
MLBの年間三振数は08年から11年連続でワースト記録を更新しています
ピッチャーは長打を警戒してアッパースイングではとらえにくい高めのストライクゾーンや、カーブなど縦の変化球が多用される傾向が出てきています。
フライボール革命は少年野球でも有効か
少年野球のスイングスピード
少年野球でもこのフライボール革命のスイングに取り組んでいるチームも出てきました。
しかしフライボール革命のバレルゾーンの条件の一つである打球速度が158キロ以上無ければいけません。
スイングスピードで考えると128キロです。
小学生のスイングスピードは速くても90〜100キロ程度です。
また128キロのスイングスピードを出すには体重が75kg必要とも言われています。
小学生でもまれに75kg以上ある子供はいますがスイングスピードが128キロ以上というのは日本中探してもいるかいないかくらいでしょう。
少年野球でフライボール革命に取り組むのはまだまだ早いかもしれませんね。
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イメージはナイキマーク
最近、少年野球ではフライボール革命の影響かアッパースイングの選手が多くなってきました。
スイング自体はその選手に合ったスイングなら問題ありませんが野球をはじめたばかりの初心者の子供にはレベルスイングがおすすめです。
レベルスイングは地面に平行ではなくボールの軌道に合わせたスイングです。
ダウンスイングもアッパースイングもインパクトポイントは点でしかないですがレベルスイングは線でボールを捉えることが出来ます。
イメージとしてはナイキマークですね。
レベルスイングがある程度出来るようになったらバッティングセンターで出来る練習法もあります。
練習法に関してはこちらの記事を参考にしてみてください。
まとめ
いかがだったでしょうか。
フライボール革命に関しての紹介をしてきましたが、少年野球では知識として入れておくだけでいいでしょう。
間違っても極度のアッパースイングにならないように注意して欲しいです。
最後にもう一度この表を見てください。
打球の種類 | 発生割合 | 安打割合 | 長打割合 | 本塁打割合 |
---|---|---|---|---|
ゴロ | 45% | 25% | 2% | 0% |
ライナー | 25% | 63% | 23% | 3% |
内野フライ | 7% | 2% | 0% | 0% |
外野フライ | 22% | 27% | 23% | 18% |
実はライナーの打球がダントツで安打になる確率が高く、長打もフライと同じくらいの数値となっています。
少年野球ではレベルスイングを習得して強いライナーを打てるようなバッターを目指してはいかがでしょうか。
これから体が成長するにつれてバッティングフォームも少しずつ自分に合ったものを探していって欲しいです。
今回はフライボール革命について紹介しました。
他にも少年野球に関する記事がありますので是非ご覧ください。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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