大人でもモチベーションを持続させることは難しいです。では小学生にモチベーションを持続させて目標達成するためにどのようにすれば良いか。今回はモチベーションの持続について紹介していきます。
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モチベーションを上げる
モチベーションとは?
モチベーションとは、物事を行うための、動機や意欲になるものという意味があります。『やる気』と言ったらわかりやすいかもしれません。
このモチベーションは上がる時もあれば下がる時もあります。さらに上がる気持ちを持続させれば、人よりも練習し意識も高く持てることになるため、将来的にもいい結果を勝ち取る可能性が高くなってきます。
ではまずはモチベーションを上げるにはどうしたらいいでしょうか。
まずはモチベーションについて説明していきましょう。
人には2種類のモチベーションがあると言われています。
一つ目のモチベーションは『内発的動機』です。これは簡単に言うと「自分の内側から自然と溢れ出てくる好奇心やワクワク感」です。
二つ目のモチベーションは『外発的動機』です。これは「評価や強制など外からの働きかけによって意欲を引き出される」ことです。
やる気が自分の内側から溢れてきたものか、外から押し付けられたものかで子供のパフォーマンスが大きく変わってきます。
ホームランを打ったら野球道具を買ってあげるなどのご褒美を与える方法などが外発的動機となりますが、短期的に見るとモチベーションが上がる効果はあるのかもしれません。しかし、ご褒美などの目的に固執してしまうと人は思考が狭められてしまうことになります。
外発的動機が強くなると人は創造性を発揮しづらくなる
目の前の目標を達成してご褒美を貰ってしまうと、それ以上の結果の為に自ら考えて練習しなくなるということです。
例えば「インコースのボールをレフトにホームランは打ったけど、次はライト方向にホームラン打てるようになりたい。じゃあどうすれば打てるか練習してみよう」といった思考になりにくいということです。
長期的に子供を野球人として成長させたいのであれば、今すぐご褒美などの外発的動機をやめて、内発的動機を高めてあげれるように、やる気になるシチュエーションなどを意識して接するようにしてあげましょう。
内発的動機を高めるには?
長期的に子供を成長させたいのであれば内発的動機を高めようと説明しました。
ベースとなるのは、『どうしたら出来るのか』を考えさせてあげることです。
例えば、試合で三振をして「どうせ僕なんて打てない」とすぐに考えてしまう子供の場合、『そもそもどうして野球始めたんだった?』など野球が楽しかった時の気持ちを思い出すように声をかけてあげたり、『もしチャンスで打てたらどんな気持ちになってるかな?』など想像するとワクワクするような気持ちになる声をかけてあげましょう。また、過去の良い経験なども思い出さしてあげることも効果があります。
そして『成功した将来の自分への手紙』を書かせてあげましょう。
チャンスで打てた時のこと、試合で勝てた時のこと、大事な大会で優勝出来たことなど、将来成功した自分へ向けた手紙を書かせてあげましょう。
子供の内にあるモチベーションを喚起することが出来ます。
ワクワクする目標を立てる
『成功した将来の自分への手紙』は自分の目標となります。目標を立てることがモチベーションを上げる大切なことです。
ではどういった方法で目標を立てれば良いのでしょうか。
スポーツ心理学では達成する確率が100%の目標よりも、50%程度のものがいいとも言われていますが、野球では数値で測れないものがあります。
そのため、「達成できるかどうか」といった曖昧な基準で目標を設定するのではなく、子供が『ワクワクする目標』を設定することがポイントです。
『全国大会に出場し活躍して有名になる』『チャンスでヒットを打ってヒーローになる』『ピンチで連続三振を取る』といった目標の方がワクワクしませんか?
「試合で勝ちたい」「ヒットを打ちたい」といった現状のままでも達成しそうな目標も避けましょう。
子供がワクワク出来る目標を見つけれるかどうかで、その後のパフォーマンスは大きく変わってきます。
親御さんは根気強く子供がワクワクするような目標を探してあげましょう。
目標を点数化し本当の目標を決める
ワクワクする目標を立てたら、その目標に対する思いの強さを10段階で点数化します。
10点満点の場合、『目標達成出来たら自分はどう成長出来るか』などさらにワクワクするような気持ちを引き出すサポートをしましょう。
10点未満の場合は、『どうしたら満点になるかな?』と本音を引き出して満点になるようなワクワクする目標を考えます。
焦って外面の良い目標だけは設定しないように注意しましょう。時間をかけてでも心からワクワク出来なければモチベーションは上がりません。
次に、目標を達成するのにどういうメンタルでいればいいか確認します。
『バッティング練習の時は全国大会でチャンスの打席をイメージする』など具体的であればあるほど、挫けそうになった時に支えてくれます。
目標を達成するのに相応しいメンタルを考えましょう。
モチベーションを持続させるためには
目標を立てても途中でやるのが面倒になったりモチベーションが続かなくなることがあると思います。
それを防ぐのが目標を細分化することです。
目標を細分化させる
「ハインリッヒの法則」をご存知でしょうか。
一つの重大事故の背景には29の軽微な事故があり、その背景には300の異常が存在すると言われているものです。
このハインリッヒの法則は企業やインフラなど安全管理に重きが置かれる場所でよく活用される概念ですが、目標達成にも応用出来ます。
つまり、一つの大きな目標達成の背後には29の小さな目標達成があり、その背景にはさらに300もの小さな成功体験があると考えます。
考え方を変えると、小さな成功体験を300個積めばその過程で29個の小さな目標が達成でき、さらにその過程で一つの大きな成功を経験出来るということです。
ワクワクするような目標を立てさえすれば達成する訳ではありません。目標を達成するには思考を行動レベルにまで落とし込む必要があります。
「これなら出来そう」と思えるレベルまで目標を細分化し、「小さな目標」に落とし込んで初めて、目標に近づくことが出来ます。
例えば、ショートでファインプレーするといった目標があるとします。それにはまずショートで試合に出れるようになる必要があります。その為には打球を処理する技術や送球の能力、内外野に指示を出す状況判断など様々な能力が必要となります。その為に「キャッチボールでは相手の胸に投げる」「ゴロ捕球の基本練習で形を覚える」など小さな目標を達成していく必要があります。
成功出来ない人は、目標に対して一気に取り組もうとするため、失敗した時に目標が大きすぎるのでモチベーションが続かず目標達成を諦めてしまうのです。
そうならない為に、目標を細分化し今の自分のレベルに合った目標設定を一日の行動レベルにまで落とし込みましょう。
小さな成功体験を積むことで最終的に大きな目標を達成出来るようになります。
小さな目標を習慣にする
心がワクワクする大きな目標を立て、それを細分化して小さな目標を設定しても継続しなければ達成は出来ません。
継続する為には、小さな目標を習慣にすることです。
先ほどの「キャッチボールでは相手の胸に投げる」といった小さな目標のために、「毎日トイレにいる間はボールを触って指の感触を確かめる」などの習慣にします。「ゴロ捕球の基本練習で形を覚える」は、テレビを見ていてCMの間は柔らかいゴムボールで壁当てして形を覚えるなど、より具体的な行動を行動レベルに落とし込むための方法を考えることです。
「キャッチボールで相手の胸に投げる」ではなく「相手の胸に投げるにはどうすればいいか」、「ゴロ捕球の形を覚える」ではなく「形を覚えるにはどうすればいいか」ともう一歩深掘りしましょう。
目標は小さな目標に細分化して毎日出来るレベルにまで落とし込む。この積み重ねが、目標に向かって毎日努力し続ける土台となり、習慣となります。
まとめ
モチベーションを持続させるためにはワクワクするような目標を立てることが重要です。
ワクワクするような目標を達成するためには目標を細分化し習慣化する必要があります。
そのために何を習慣にしたら達成出来るのか考える。毎日出来そうな行動は何か考える。
毎日続けれることで習慣となってモチベーションが持続し、最終的に大きな目標を達成出来ることになってきます。
子供には外発的動機となるご褒美は今日でやめて、これからは長期的に野球人として成長する手助け出来るように内発的動機を高めモチベーションを維持させ、最終的に大きな目標を達成出来るように頑張っていきましょう。