「さぁいこーぜー」「バッチこーい」
少年野球のグランドではこのような子供達の声がよく聞こえます。
この声は、本当に必要な声でしょうか?
私には声を出さなければ指導者から指導されるから出している声にしか聞こえないのです。
ですから、おそらくこういった声は長続きはしないでしょう。そしてまた指導者から「声出せー」と指導される。いつまでたっても同じ繰り返しです。
今回は少年野球の声について考えてみます。
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少年野球に必要な声とは?
野球の試合は9人で行います。しかしベンチにもチームメイトはいますし、スタンドにもいます。それぞれ役目がありますし、それぞれの必要な声があります。
練習の時の声も同じです。お経のように「さぁいこーぜー」や「バッチこーい」などの声は必要でしょうか?私は不要と考えています。なぜなら子供達の気持ちが入っていない声だからです。こういった声は言わされて出している声ですし子供達が何かを考えて出している声ではありません。だから長続きしないですし、子供達の野球のレベルもなかなか上達してきません。
ではグランドではどういった声が必要なのでしょうか。
それは子供達が気持ちを入れた声を出すことが必要なのです。
気持ちを入れた声とは、子供達が自分で考えて出した声のことです。
考えて声を出すということは、しっかり周りの状況を把握して確認や指示の声を出す、また自分達やチームを鼓舞するための声を出すといったことです。
チーム全体がこのような声が出だすと、チーム自体も強くなりますし、子供達自身も成長していきます。
それではどういった声が必要か分けて考えていきます。
確認の声
野球では色々な動きが求められてきます。
例えばワンアウト1・2塁の場合、点差にもよりますがショートゴロが来たらショートはどこに投げるのか。強い当たりならゲッツーを取りに行くのか、もしくはサードに投げるのか(小学生の場合なかなかゲッツー取れないので3塁フォースアウトを取りにいく場合もある)、これだけでもショートはセカンドやサードにどうするかの確認の声をかけなければいけません。
自分のことばかりではありません。先ほどと同じ状況でも、もしかするとセフティーバントが来るかもしれません。その時はショートなどがファーストやサードに「セフティーあるよ」と声をかけることが重要です。
野球はチームスポーツですので、特に小学生はまだまだ経験が浅いので常に周りの選手との確認が必要となってきます。準備の声と言ってもいいかもしれません。
指示の声
試合でも練習でもボールが飛んできたりプレーに参加してる当事者はボールに集中して周りが見えません。
それを補ってあげるのが周りの選手の声です。
一番わかりやすいのが、バント処理をする選手です。例えばピッチャーがバント処理をする場面では、ピッチャーはランナーをアウトにするつもりでボールを捕りにいくのでランナーの動きがわかりません。そこでピッチャーにバント処理した後どこに投げるのかは周りの選手の声で判断します。
こういった声を試合で出すためには周りの状況を見て判断しなければいけないので普段の練習からしっかり声を出すことが必要となります。
チームや自分を奮起させる声
シャウト効果という言葉がありますが、スポーツ選手にとって大きな声を出すことで神経による運動能力を抑制を外し、自分の持てる力を全力で出すといった効果があります。簡単に言えば気合を入れる声のことです。
打席に立った時に大きな声を出すことも気合いを入れるいい声です。
また、サイキングアップと言って試合前や練習前などに円陣を組んで大きな声を出すメンタルトレーニングのことです。サイキングアップを行うことでチーム一丸になって選手全員で盛り上げることです。
ラグビーのオールブラックスの『ハカ』などが有名です。
このように自分自身のためやチームを盛り上げるための声は重要です。試合だけでなく練習からモチベーションを上げることを意識して声を出せるようになることが必要です。
投げかけてあげる声
他の選手がナイスプレーをした時やいいピッチングをした時など、その選手に大きな声で「ナイスプレー!」や「ナイスピッチング!」など褒めてあげる声は重要です。
またミスをしたりエラーした選手には励ましの声も大事です。自分自身がエラーした時の周りの選手からの声は本当にありがたく次はやってやるという気持ちになるからです。
この声もチームを盛り立てる意味の声となります。
全員で揃わせる声
これは簡単に言えばウォーミングアップなどチーム全員で同じ声を出すことです。揃って大きな声を出すことでチームに一体感が出てチームワークを良くする効果があります。
また、朝早い場合などは体を動かすことに加えて大きな声を出すことで体を一気に動ける体に変える効果もあります。
アップで全員が揃った大きな声は相手に威圧感を与えることもできますので心理的にも優位に立つことも出来ます。
気持ちを入れた声を出すためには
ではどうすれば小学生にこのような声が出るように出来るのか。
それは日々の練習から声に対する意識を変えてあげることが重要です。
息子のチームの監督は、この声出しは非常に大切にしています。練習の時から「もっと話せ」「確認を大事にすること」などの指導を常に行って頂いています。声が出ていない時には声を出せではなく、もっと盛り上げろ!と言う言葉で子供達に声掛けてくれています。
これはチームを強くしたいという気持ちと子供達が気持ちを入れた声を出せるようにさせたいという教えです。
毎週毎週、練習の時から声出しの必要性を伝えて頂いて、ようやく子供達も気持ちを入れた声が出るようになってきました。
日々の練習から声の練習も行うことがここ一番で最適な声が出てきます。
まとめ
もしも子供が「さぁいこーぜー」「バッチこーい」のような声を出していたら、その声はどういった考えで出している声なのか一度聞いてみましょう。
声出しは考えを変えることで子供をより成長させてあげることが出来ます。
気持ちを入れた声が出せる選手になるように、少しでも参考になれば幸いです。
頑張っていい選手になることを祈っております。
では最後までこの記事を読んで頂きありがとうございました。