野球未経験者のお父さん達から、「トスバッティングはどういう意味があるんですか?」とよく聞かれます。
子供の頃からどの年代でもトスバッティングはやってきました。少年野球の父になるまでトスバッティングの意味までは考えたことはなかったので今回このトスバッティングについて考えていきます。
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トスバッティングとは?
まずはトスバッティングについて説明します。
トスバッティングとは2人1組になって約5・6m離れた位置から投げる選手と打つ選手に分かれて軽く投げてもらい軽くゴロで打ち返す練習のことです。
地域によってはペッパーと呼ばれたり、投げる選手を2人にして交互に打ち返す練習を行うトスバッティングもあります。
投げる選手は打ちやすい所に投げなくてはいけませんし、打つ選手は捕りやすい所に打たなくてはいけません。
どちらも上手くトスバッティングをするために共通している点があります。
それは軽くやること、つまり脱力することが大事なことです。
脱力するのが大事?
ではなぜ脱力しなければいけないのでしょうか?力を入れなければ速い球を投げることが出来ないですし、遠くに飛ばして打つことも出来ないです。
軽く投げるならキャッチボールでやってるし、ピッチャーに打ち返すバッティングなんか覚えなくていいし...
トスバッティングは意味のない練習?と考えているお父さんもいるかもしれません。
トスバッティングこそバッティング練習で一番大事な練習です。
キャッチボールが野球で一番大事な練習であるように、トスバッティングがバッティングで一番大事な練習と私は考えています。
キャッチボールもトスバッティングも脱力が大事と言いましたが、理由はどちらも脱力することで体を柔らかく使うことが可能となり、力を入れるタイミングを覚えることが出来るからです。
これはピッチングも守備もバッティングも共通して大事なことです。関節を柔らかく使うことで体は柔らかく使えるため、力を入れたい時に力を入れることが出来るので、速い球を投げることが出来ますし強いスイングが可能となります。
トスバッティングでの意識
ではトスバッティングの時はどのような意識を持つことが大事でしょうか?
意識することは3つあります。
スイング始めはヘッドが下がる
バットはヘッド部分が重い構造で出来ていますので構えた状態でグリップを少し前に出すとヘッドは自然に後ろに倒れます。倒れない方は手首の関節が硬くなっていますので手首を脱力させてみましょう。
この打ち始めのヘッドが倒れる瞬間がバッティングでは大切です。それはヘッドが倒れることでインパクトまでの間にバットの遠心力が使えるからです。
始めは上手くいかないと思いますが、とにかく手首や肘などの関節を柔らかくするように意識しましょう。
打つポイントを掴む
二つ目の意識することは打つポイントを体で覚えることです。
ピッチャーに打ち返すためにはボールの軌道に対して90°でバットに当てなければいけません。どこでバットに当てればセンター方向に打てるのかを体で覚えることが出来ます。
毎日トスバッティングをやっていても、バッティングの調子が悪くなった時などは上手くピッチャーに返すことが出来ないことがあります。
これは無意識にどこかに力が入って脱力出来ずにワンテンポ、タイミングが遅れてしまったりヘッドが倒れずにそのままボールに向かってしまいドアスイングになってしまったりします。
こういった自分のスイングの確認や調整を行える練習がトスバッティングです。
また、トスバッティングでは下半身は膝でタイミングを取ることしか使いません。腰は回さないで胸椎(肋骨や肩甲骨辺り)を回します。上半身を捻るといったイメージです。
よくバットが出てきてないことや振り遅れの原因はこの胸椎の動きが出来ていないことがあります。上手く上半身を捻ることでバットがスムーズに出てくるので振り遅れにならず90°でボールを打ち返すことが出来ます。
インパクトの感覚を掴む
脱力して無駄な力が抜けた状態で打つとインパクトの瞬間腕のどこに衝撃がくるかの感覚が掴めます。
右バッターなら右手の平、左バッターなら左手の平に衝撃を感じることが出来るはずです。
これはバットを持つ位置に関係してきます。バットにボールが当たる位置に近い方の手の方が重要で、グリップの上にある手がバットをコントロールしているからです。
余談ですが、よくバットコントロールしやすくするために短くバットを持ったり、バントする時は上の手をバットの芯の近くに持ったりします。
これは、よりバットに当たる位置に手を近づけた方がバットをコントロールしやすいためです。
実際にフリーバッティングや試合では、この上の手を強く使うことで強いスイングが可能となるのです。
トスバッティングはバッティングのアップ
よく、トスバッティングはバッティングのアップと言われます。
練習でもキャッチボールの後にトスバッティングを行うことが多いです。
バッティング練習する前に自分のバッティングの形を意識したりバットをコントロールすること感覚を確認したりする大事な練習です。
先ほどの意識するポイントを考えてトスバッティングを行うことで、その後のバッティング練習にも繋がってきますので、ただやるのではなく常に意識を持って練習に取り組みましょう。
トスバッティングで投げる選手の意識
トスバッティングでは打つ選手だけが意識して行う練習ではありません。投げる選手にとっても非常良い練習になります。
投げる時は軽い球を投げることでコントロールをつける練習になります。
キャッチボールでは相手が構えてることで的が出来て流れます。しかしトスバッティングでは的ではなくバッターに対して投げるので打ちやすい場所に投げなければいけません。
やってみるとわかりますがバッターに対して投げることに慣れてない方は打ちやすい球を投げるのは非常に難しいです。
トスバッティングでも狙った所に投げることは送球練習にもなります。
また、バッターが打った打球を処理するのは守備練習にもなります。トスバッティングは距離が近いので打球に対して反応も早くしなければいけないのでとてもいい守備練習です。投げる・捕るの意識をしっかり持ってトスバッティングを行いましょう。
まとめ
トスバッティングのコツは脱力することと意識することです。
②打つポイントを掴む
トスバッティングは野球をやっていく上で欠かせない練習メニューの一つです。
ただやるだけではなく常に考えながら練習に取り組んでいくことが上達するポイントとなります。
意識を持って練習していきましょう。
今回も最後まで私の記事を読んで頂きありがとうございます。